最終日は朝から快晴。夕方の船まで時間があったので、昨日宿で飲んでいた人たちと一緒に三原山へ行くことになった。
チェックアウトの手続きをして、宿のスタッフさんの車に乗せてもらいいざ出発。一周道路から山へ向かう道に入ると、すぐにものすごい勢いで登りが始まった。元気よくうなるモーターと共に、山道をずんずん進んでいくと、5分くらいでふもとの風景が見えてきた。前回はバイクの後ろに乗せてもらっていたから捕まるのに必死で気づかなかったけど、急斜面を上り続けてきたからか、海が山のすぐそばまで来ているような景色が広がっていた。
山の上はもやがかかっていた。駐車場で車を降りて山頂へ向かう。気を抜くと前が見えなくなるようなもやの中を、3人でのんびりと進む。ここでも初日の宿と同じように、どこが楽しかったとか、どこに行ってみたいとか、そんな話で盛り上がった。出身も年齢もバラバラな3人に唯一共通するのは旅が好きだということだけで、相手の価値観や考え方を知るのにはやっぱり旅の話しかない。
山頂に着いたら強烈なもやが少しずつ晴れてきて、車の中から見えていた景色をもう一段高いところから眺めることができた。当然ながら自分たちの視界を遮るものはなくて、眼下には青い海と山の緑だけが広がっている。景色を構成する要素は極端に少ないのに、決して見飽きることがない不思議。普段から職場とかライブハウスとか、情報量の多い環境に身を置いている分そう感じてしまうのか、それともシンプルに見える自然の情報量がすごすぎるのか…
その後は火口をぐるっと一周して、宿に戻ってきたら13時を過ぎていた。船は昨日と同じ岡田港から出港ということで、急ぎキックボードで港へ向かう。船は16時過ぎの出航予定で、7キロくらいの道のりはキックボードなら1時間もかからない。それがわかっていながら急いで移動したのは、港にある漁協の食堂が15時くらいまでしかやっていないから。この食堂は前に来た時にも立ち寄っているのだけど、その時食べたサバの竜田揚げがあまりにも美味しくて。あの竜田揚げをどうしてももう一度食べたいと思い、大島に寄り道する日程を組んだというのが今回の旅の実情だったりする。笑
港には40分ちょっとで到着した。さっそく食堂へ向かう。店の前で30分くらい待ってようやくありつけた竜田揚げは…やっぱり最高だった。超素朴な見た目も、皿に乗せただけみたいなぶっきらぼうな盛り付けも、あの美味しさの前では何も関係ない。それくらいの説得力があの竜田揚げにはある。なんて最高なのだろう、この竜田揚げは必ずまた食べに来ないといけないな、そう考えながら、あっという間に完食した。
大島での最大の目的も達成できてあとは東京に帰るだけ…のはずだったのだけど、ここでちょっとしたハプニング発生。船が来ない。笑 乗るはずの船がここ数日の嵐のせいで大幅に遅れてしまい、何時に着くかわからない状態らしい。まあそんなこともある。どうせならどこか近場にとも思ったけど、それも面倒になったので音楽を聴きながら港の周りでぼけーっとすることにした。
(インスタ映えするキックボード画像シリーズは撮影した)
日が傾いていくのに合わせて人が減っていき、気づいたら船を待つ人は数十人くらいになっていた。さっきまでの賑やかさがうそのように、港には穏やかな時間が流れ出す。ピークを越えたであろう近所の商店からは子供が出てきて、すごい楽しそうに遊んでいる。観光の拠点のイメージしかなかった港も住む人にとっては生活の場であり、遊びの場なんだよなーとか、自分たち観光客が見る港の風景と、住んでいる人たちの港の風景はやっぱり違って見えるのかなーとか、いろいろなことを考える時間だった。
結局船は2時間弱遅れの18時に入港し、東京に着いたのは22時ごろ。折り返し八丈島などに向かう人たちの列を横目に駅へ向かい、電車に揺られ、23時ごろ家に帰り着いた。
これにてGWの一人旅、終了。
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