BLADDERS "Loin"(2018)
Tomはさておき、彼らの武器はふてぶてしくウネリ倒すコードリフと、Pennywiseぽさの光るシンガロング。前回レビューしたFor Heads Downも動きのあるコードリフがインパクトあるバンドだけど、こっちはあくまでオールドスクールなサウンド、スタイルが中心。
また、随所にテクニカルなリフとキメをこれでもかと絡めることで、流れるような展開の曲が多いのは特筆すべき点です。メロディの合間にスペインのバンドらしいちょっとしたリードが出てくる"Bacteria"、バキバキの刻みで終始畳みかけるM-4"Born To Die"と、曲をさらにスピーディに聴かせるためのアプローチが抜群に上手い。BPMだと同じスペインのAdrenalizedほどの速さはないんだけど、遜色ないくらいのスピード感があります。
そしてもう一つ特徴的なのが、所々でスカやアイリッシュのパートが出てくること。BPM高めのまま裏打ち&ホーンセクションが出てくるM-5"John Connor"、アイリッシュパンク風なメロディでフィドルと一緒にシンガロングする、M-14"Ode to Funk Polk"みたいな曲を普通に突っ込んできます。特に後者がそうだけど、スタイルをモロに出さないとかっこ悪くなっちゃうジャンルも上手いこと取り込んじゃう巧者っぷりが最高です。
どの曲も何かしらのフックが効いていて、あっという間に15曲が終わる、なかなかハイクオリティな名盤でした。まだ聴けてない人は絶対にチェックしておくべき。
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