前日の記事のタイトルを「だいたい」としていたのは、宿に泊らなかったから。佐伯を4時に出るフェリーで高知に入り、ずっと行きたかった四万十川を訪れようと考えていた。まあまあハードだけど、やりたいことや、行きたい場所を無理くり詰め込むとこれしか選択肢がなかったから仕方ない。
ということで街に1件だけの漫画喫茶で仮眠を取ろうとしたものの、一睡もできず貫徹で佐伯の港へ向かった。待合室には年代物のゲーム機があったり、古い漫画の全集が激安で売られていた。船を待つ人は5人くらいで、広い室内は空調の音しかしない。少しの寂しさの中にカオスさを感じる不思議な場所だった。全盛期は1日6便だったらしいけれど、今は1日3便。きっと年代物のゲーム機とかは、その頃の名残なんだろうなあ、当時はどんな感じだったんだろうなあ、と想像を巡らせているうちに船が来た。
船で長めの瞬きをしていたら宿毛に着いていた。伊豆諸島に行くときの橘丸とかは下船のための列ができたりするところを、すんなり船を降りられてなんだか不思議な気分。早朝便で人が少ないってことならいいけど… なんて考えながら、バスで宿毛の駅へ向かった。
電車への乗り継ぎも上手くいって、四万十川の観光の拠点になりそうな駅、中村に9時くらいに着くことができた。1時間半くらい駅の待合室で時間をつぶして、沈下橋へ行くバスに乗る。バスのお客さんは自分だけで、運転手さんと色んな話をした。直前に起こった大雨のこと、長距離バスの運転はしんどいこと、100キロマラソンがつらいこと…笑
バスを降りると茂みの中に一本道があって、向こう側がぽーんと開けている。茂みを通り過ぎると一気に四万十川が広がる。水のきれいさとかではなく、スケールの大きさにまずは圧倒された。ロケーションだけでも最高。そして橋の下を見るとだいぶ河口寄りの川幅のあるところにもかかわらず、驚くほど透き通った水が流れている。これまでは「最後の清流」とかいう言葉でしか四万十川を知らなかったけれど、その実際を見せつけられた。飾った言葉では足りないような、「ただただきれい」としか言えない流れを前に、多少の無理をしてでもここに来て本当に良かったと改めて感じた。
念願の四万十川を観られて、あとはもうのんびり宿に…と思ったけれど、ここまで来たからにはどうしても四万十川の水に触ってみたい。そんな衝動に駆られて、帰りのバスは河原のあたりで途中下車した。どれだけ気持ちいいのかな…と川に入ってみたものの、この日は猛暑。水がぬるくてそれほどでもなかった。笑 たださっきの沈下橋よりもっと下流にも関わらず、水はきれいなまま。街中でもどこかのんびりとした時間が流れる中、10分くらい水に浸かってぼけーっと過ごした。次はもう少し暑くない時に来よう。
ひとしきり四万十川でやってみたかったことができたので、あとは宿に向かうだけ。中村の駅で1時間くらいぼーっと電車を待って、窪川のほうへ向かった。車窓を眺めていたかったけど、昨晩のこともあって道中は爆睡。そうして17時過ぎには宿にたどり着いた。
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