2019年4月1日月曜日

Mineralを観てきた話


久しぶりにライブを観てきた話です。先週の土曜日は大阪までUSのエモバンド、Mineralの来日公演を観に行ってきました。ちょっと長くなったけど感想とその他もろもろの記事です。よほど時間があるときにでも読んでみてください。


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今回のツアーはMineralに日本のThe Firewood Projectが帯同する形のもの。それだけでも豪華だなあと思ってはいたけど、自分は「まあチケットとれるでしょ」って高をくくっていて。いざチケットを取ろうとしたら東京がソールドで、慌ててチケットを取った大阪行きだった。

この日はツアーファイナル。MineralとTFPのほかに、RNR Tours主催でツアーをしていた、アメリカのPetalという女性SSWがジョイントする形になっていた。TFP、Petalともに初見(というかどんな曲なのかも知らなかった)だけどいいライブをしていて、この時点でもう相当最高。

ただこの中でMineralはどんなライブするんだろう、とかそんなことを考えていたら始まったMineralは、前2組の余韻を一発で吹き消していった。まさかの”The Power of Fallings”冒頭3曲スタートは”Five, Eight & Ten"が1曲目だった時点で予期できたけど、フロアが尋常じゃないくらい盛り上がる。どうやら”Endserenading”冒頭4曲スタートのセットもやっていたらしいけど、いずれにせよオーディエンスのオタク心をくすぐるものすごい始まり方だと思う。

そこから先は全曲イントロドン大会。ダウナーなアルペジオが鳴る始めるたびに会場からは大歓声で、ひたすらシンガロングが止まらない。その中で意外だったのは、彼らが各パートががっちりと絡み合って生まれる、生き物のようなグルーブでフロアを支配していたこと。年明けからコンスタントにライブをしていて、かつ8連戦の最後で脂がのっていたのもあるのだろうけど、この日の彼らはとにかくグルーブの圧力がすごかった。

音源を聴いていれば、当時は毎回ギリギリのバランスに成り立つような壮絶なライブをしていたんだろうなと簡単に想像がつくし、当日まではそうしたものを期待する自分がいたんだけど、これにはいい意味で裏切られた。決してギリギリの危うさが失われたわけではなくて、表現のベースにどっしりとしたグルーブが加わったことで、危うさがより一層彼らの魅力として引き立っている。これが今のMineralなのか、すごいな、と圧倒されるしかない。

このブログを読む人は彼らのことをあまり知らないと思うけど、彼らのオリジナルの活動期間は1994年から1998年までととても短い。若い時に数年活動していたバンドが、活動を止めた後も世界各地でフォロワーを生んでいて、ライブをすればどこの国にも自分たちを熱烈に受け止めてくれるファンが存在する。それがどれだけ幸せなことか、自分には想像がつかない。

一方で、自分たちは活動を止めている間に音楽やそれ以外の部分で様々な経験をしていて、当時の自分たちではなくなっている。当然ファンは当時のメンタリティに共感して自分たちを好きになってくれたのだから、今の自分たちの姿とファンが求める姿の落としどころを見つける必要があるのだと思う。この日の彼らの素晴らしいショウは、一筋縄ではいかないそのプロセスをしっかり経たからこそ成り立つものだと思うと、圧倒されるものの正体が見えた気がするのと同時に、本当に鳥肌が立った。

そしてもちろん、バンド自身がメンタリティの落としどころを見つけただけではツアーは成り立たない。彼らの心意気をくみ取ってツアーを組む人が日本にいなければ、自分は彼らを日本で見ることができなかった。そう考えると、自分が奇跡のような場にいることを痛感して、もう一度鳥肌が立つ。

この日を成り立たせるために動いたすべての人にありがとうと思うと同時に、大阪まで追っかける判断をしてよかった、心の底からそう思う夜だった。

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