Mute "Remember Death"(2016)
ということで泣く子も黙るケベックの高速メロディック、Muteがリリースしたアルバム、"Remember Death"。前作から5年。まさかこのブログでレビューの記事書くとは思ってもみませんでした。
先行リリースだったM-2"Fill The Void"のイントロでアコギをバックに歌い始めたのにはびっくりしたけど、蓋をあけたらさすがの一言につきる感じでした。ちょっとクサいパートが増えたものの、これまでのスタイルが大きく変わることもなく、相変わらずのMute節が最高に心地いいです。
その中でもボーカルにドラムにと、エティエン先生のキレが尋常じゃない。特に歌い方が前作とは比べ物にならないくらい力強くなっているんですよね。今回聞いていて一番びっくりしたのは間違いなくここ。これまでの彼らはどちらかと言えばバカテク楽器陣に目が行きがちで、どれだけテクニカルなことをやっているのかがそのままアルバムの印象にもなっていたのですが、今回はボーカルの強烈な個性がアルバム全体を統率している感じを受けました。
そんなチームバカテク楽器陣の、一度聴けば一発で彼らとわかる強烈な個性とテクニックももちろん健在です。ギターの速いだけでなく理路整然と組み立てられているソロ、一糸乱れぬバッキングの刻み、所々で出てくる短いけど聴き手を興奮させるようなリードは、どれをとっても完璧です。ギターソロとかこれまでで一番やりたい放題なんじゃないですかね。ベース、ドラムも相変わらず歌いながらプレイしているとは思えないくらいタフだし、聴いてて至る所でゾクゾクします。
ボーカル、楽器陣、どちらもまったく死角なしの今作、間違いなく最高傑作なのでぜひチェックを。あとライブが圧倒的にかっこいいのは去年十分体感したし、このアルバムの曲も生で味わってみたいです。このアルバムを聴いたらきっとそう思うはず。
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