ショートチューンオタク!
Trophy Jump "Depression Club"(2017)
彼らのスタイルは徹底してクラシック。90年代後半、00年代前半くらいのNUFANみたいな牧歌的な青さがベースにあるのがとても気持ちいいです。最近のバンドだとブラジルの69 Enfermosなんかが近いかな。
アルバムはいかにも「あの頃」のNUFANライクなリフを炸裂させるタイトルトラックのM-1 "Depression Club"から始まります。これが何も新しいことをしてないし、クールにさらっと歌っているだけなのに最高にエモい。
M-3"CTR"は特徴的なリズムチェンジが光ります。ストップ&ゴーとまではいかないけど、こういうリズムの緩急のつけ方ってワクワクします。あまりポピュラーなやり方ではないと思うんだけど、そういうのを入れ込んでくるあたりたぶん彼らはめちゃくちゃオタクなのでしょう。笑
あとは彼ら、基本的に1:30前後のショートチューンばっかりなんだけど、どの曲もそんな短さを感じさせないんですよね。さすがにAメロBメロ…みたいな話にはならないにしても、きっちりと起承転結があってリードギターが出てきたり、「ショートチューンだからしっちゃかめっちゃかでいいや!」みたいな曲がまるでないんです。これはすごいことだと思います。
その真骨頂が思わず3,2,1でゴーシュートしたくなるタイトルのM-8"beyblade"。ショートチューンのバンドではまず出てこない、インタールードでもない(ほぼ)インストなんです。こんなん聞いたことないです。でもアルバムの中で全然聞いていて違和感はないし、この曲唯一の歌詞であろう"beyblade~♪"って歌ってるだけのパートの入り方が最高なんですよね。笑 いやーこの曲はびっくりした。
ということでショートチューン主体ながら、至る所にオタク根性やら策士っぷりが光る、とんでもない1枚でした。最近もアクティブなバンドでFFOを出すならば、69Enfermos、Neutralあたりでしょうか。ぜひチェックしてみてください。
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