2014年8月18日月曜日

【Disk Review:Go Down In History】No Use For A Name "Hard Rock Bottom"(2002)

思いつきで新しいレビュー企画始めます。企画名の元ネタもどっから引っ張ってきたかバレバレ。笑 このブログでは比較的新しい(2010年代〜)音源をレビューすることが多いですが、それだけに飽き足らずもっと時代をさかのぼって、まさに「Go Down In History(歴史に名を残す)」であろうアルバムについてレビュー書いてみようと思ったのがきっかけです。まだまだレビュー書くの下手だなあと感じるところも多く、その練習の意味も込めています。

なにかテーマを絞ってレビューを書くの、個人的に面白いかなと思っていて、これからも企画ものはぼちぼちやるつもりでいるのですが、その第一弾ということで。

初回ということで、どうせなら僕が一番好きなアルバムから始めようと思います。

No Use For A Name "Hard Rock Bottom"
Rate 4.69/5.00

サンノゼのメロディックハードコアバンド、No Use For A Nameの代表作とも言える一枚です。もうこれ12年前のアルバムなんですね。僕小4…ちなみにこのアルバム、超有名な話しではあるけれどジャケットのジャンプしているおじさんは、Ken Yokoyamaで一時期ベースを弾いていたサージ。彼は今何しているんでしょう… それと日本でNUFANのトリビュートアルバムがリリースされた際のジャケットも、これをオマージュしたものでした。

このアルバムはまず何がすごいかって、アルバム序盤からのタイトな緊張感が終盤まで続くこと。僕個人的にいいアルバムって1曲目から4~5曲目くらいまでとんでもないキラーチューンが並んで、その後もちょくちょくキラーチューンがあるものが多いと思っていて。前にRufioのレビューを書いたときにも似たようなことを書いたけど、Rufio以上に畳み掛けるようにアルバムが進んで行く印象がこのアルバムにはあります。



まず出だしの"Feels Like Home"~"International You Day"。前者でゆっくりと走りだして、その終わりからフィードバックと共に刻むハイハット、リフが。一気に全パートがなだれ込んでから、ギターとTonyだけになり、そこから疾走パート。この流れ何度聞いたかわかりませんが、今聞いても本当に興奮する。M-4"Dumb Reminders"、M-5"Any Number Can Play"などベスト盤に入るような名曲も文句無し。もともとがハードコアっぽいところからスタートしているバンドで、それゆえ速い曲は得意なんだろうなとは思うのですが、"Dumb~"のようにテンポをしっかり落とした曲でもかっこいいのは演奏とメロディーがしっかりしているからなんでしょうね。速いだけだったり、エモさを出してるだけのバンドって多いですけど、この点でそうしたバンドと大きく差をつけているのかなとも思います。




ここまでベストに入るような有名曲ばかりチョイスしましたが、ベストに入っていない曲もかなりの名曲ぞろいです。M-1,2の流れをより哀愁濃くしたM-3"Pre-Medicated Murder"、解散直前のライブでもよく演奏されていたM-6"Friends Of The Enemy"なんかは、なんでベスト入ってないのかなあと疑うレベル。後者に関しては暗いイントロから始まって少しずつポップになっていくのだけど、最もポップなメロディーのサビの歌詞は決して明るい物ではなくて。ベストに入ってるM-8"Let Me Down"もそう。暗いことだけどそれでもせめて明るく歌うんだ、みたいなTonyの姿勢が見える気がして、その人間臭さがたまらないです。

僕は順調に物事が進んでいる時でも、過去の出来事を思い出してふと立ち止まってしまうような瞬間みたいな、ちょっとした時にこのアルバムをとても聞きたくなります。Tonyが突然亡くなってから2年経つけれど、よく聞けば未だにその影響は大きいことにも納得できる1枚。日本のバンドにも彼らのフォロワーはとても多いので、何らかのきっかけでこのページにアクセスしたであろう、普段は日本のメロディックしか聞かない人にも確実にオススメできる1枚です。

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