Four Year Strong "Go Down In History"(2014)
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ご存知、Set Your Goal等といわゆるイージーコアのパイオニアとして知られるFour Year Strongが先日リリースしたEPです。活動が近年停滞気味だったみたいですが、これでカムバック。SYGが活動休止みたいな状況に追い込まれているので、彼らのカムバックは嬉しいですね。
彼らのフォロワーはそれこそ星の数ほどいます。多くのバンドが彼らのスタイルにあこがれ、ヒントを得ながら曲作りをしてきているはずです。でも彼らを超えるカッコよさのバンドなんていないのが現状だと思います、オリジナルがこのクオリティなので。先に言ってしまうと、全曲がキラーチューンでしかありません。
M-1"What's In The Box?"イントロのリズムなんて、いろんなバンドが真似ていて、聞けば「ああ…」ってなるようなもの。それでも聞いていて興奮するのは、追随を許さないスピード感と、前作からの芯のあるふてぶてしい音の力と、強烈な胸焼けを引き起こしそうなくらい前向きで、どうしようもなく元気なメロディー。リフは初期からのFYS節がっつりですし、ここまでのバンドの流れを、全部ごちゃ混ぜにしてこねて焼いたとでも言えばいいんでしょうか。
リフも初期の系統っぽいところがあると書いたけれど、初期には無かったどこか余裕めいたものを感じます。初期のリフからは、とりあえず楽しいことしまくってやろう!みたいな雰囲気を感じていたのですが、今回は自分たちのスタイルがかっこいいことを理解した上で、よりクールな方向を目指しているというか。特にそれを感じたのはM-2"Living Proof Of Stubborn Youth"。リフの中に独特の間があって、それがずば抜けてかっこいい。間と言っても音が止むとかのことでは無くて、刻み主体の中で音を伸ばしたときの、縦のラインのそろい方が絶妙なんです。
あと特筆すべきはM-5の"So You're Saying There's A Chance..."。テンポもこのEPの中だとそこまで速いわけではないし、フレーズも特段ずば抜けたわけてるわけでもないので、やってることは彼らを大好きで研究し尽くしているようなフォロワーたちと、大差ないはず。だけどずば抜けてかっこいい。クールな間の取り方、メロディーのざらざらとした前向きな感じ、挙げればきりはないですが、フォロワーのバンドに欠けている要素がこの曲には詰まっているのではないかと。
ファンからの期待も、フォロワーの存在も、全ていい意味で置き去りにして行ったこのEP、一度聴いて「なるほどな」と思ってみてください。
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