2017年4月16日日曜日

一人旅日記2017春 最終日

グダグダ。




最終日は横浜までのんびり帰るだけ。単純に戻るだけだと面白くもなんともないので、どこかで寄り道しようとだけ心に決めていた。

しかしとにもかくにもまずは朝ごはん、ということで、また喫茶店へ足を運んだ。普通のモーニングサービスでもよかったんだけど、そういえばまだ名古屋で食べていなかった小倉トーストのセットを注文。これがアイスコーヒーと一緒だとおやつ感覚でサクサク食べられちゃうんだから意外。あっという間に食べきってしまった。

食後は電車移動開始。東海道線から分岐して海のほうへ向かう、武豊線というローカル線に乗ってみることにした。正直何があるのかよくわからなかったけれど、いつも名古屋近辺を通るときに気になっていた路線。時間はある。乗るしかない。


武豊線はまさかの単線だった。名古屋から終点の武豊まで1時間くらいで、そこそこベッドタウンとしての需要もありそうなのになあ。と思ったら名鉄が近くを走っていて、そちらのほうが路線的に充実しているみたい。ただこの武豊線、なんでも東海地方に鉄道を敷設するための物資輸送を担うために作られた、このあたりでは一番古い路線だそうで、そうした歴史を示すものが沿線にちらほらとあった。駅や遺構めぐりを趣味とする人にはたまらない路線なのかも。


駅巡りをしない自分は一気に武豊へ。駅前の散歩開始。ただ連休の中日だからか、いつもなのかはわからないけど住宅街でまったく人がいない。とりあえず近くの港まで歩いてみたけれど、本当に人にすれ違わなかった。醤油の蔵が沢山ある地域らしいものの1件も開いていないし、どうやら来る日を間違えたみたい。ちょっと悔しいけど、昼ごはんだけ食べてそそくさと退散した。寄り道もきちんと計画立てないとダメだなあ。

あとはもう横浜へ向けて帰るだけ。ただこの日は東海道線がずっと遅延していて、帰り道もグダグダ。どこまで行ってもずっと遅延。まあこんな日もあるか…と割り切って、音楽を聞きながらぼけーっと東へ向かった。こういう時間は嫌いじゃなくて、むしろ大好きだからいいんだけどね。

浜松を越えたあたりで夕焼け模様になって、静岡県内はずーっと日が暮れていく車窓を眺めるばかり。宿でしっかり寝てたから特に眠くもならないし、本当にずっと音楽を聞きながら遠くを観ていた。はたから見たら危ない人だったかもしれない。途中でトイレに行きたくて降りた駅で、完璧に日没。


熱海まで戻ってきたのは19時頃。のんびり乗り換えようとしたら電車の席が大体埋まってしまっていたので、わざと一本電車を飛ばした。またホームで20分くらい、なんでもない時間を過ごす。何やっても楽しいはずの旅行なのに、なかなか上手く行かなかった今日、昨日までの楽しかった思い出、週明けからの現実、いろんなことを考えてなんとなく寂しくなる。

そしたら暗くしんとしたホームで、熱海に着くちょっと前から聞いていたアジカンの”ファンクラブ”の、"月光"が流れ出した。



ドビュッシーのピアノの曲の一部から始まって、スルッと始まるこの曲。曲調、歌詞共にどうしようもなく暗くて、でもどこか温もりのある感じが最高に心地よい。ディレイがかったギターとためらいがちな絶叫交じりのメロディーが、なんとなく寂しいと思っていた心にスッと入ってきて、それを昇華してくれたような気さえした。

旅に出るときにちらっと書いていた、音楽と思い出が密接にリンクする感覚とはこういうこと。正直他の人に伝えられるかと言われれば難しい、そんな強烈な感覚を久しぶりに味わうことができた。こんなことがあるから旅はやめられない。

あとはもう1時間ちょっと電車に乗って終わり。21時ごろに家にたどり着いた。これで今回は終了。うまく行かなかったけれど、熱海でのこともあったし、まあいいのかなと思える一日だった。

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