ブラジルメロディックシーンの覇者はやっぱり覇者。
ブラジルBullet Baneの新作です。今作は攻撃的なリフとストレートさが痛快だったBullet Baneとしての1stと、一転してウェットでダーク、グルーブを前面に押し出した2ndの間を行った印象を受けます。基本的にサウンド面や曲調は2ndを踏襲していることが多いんですが、ボーカルのメロディの明るさや曲の展開に、1stのストレートでポジティブな要素が少し戻って来ているように感じました。というかよくよく聴いたら去年から今年の初めに出してたダウナーすぎる曲1曲も入ってないな。
アルバムはインタールード的なM-1"Curimatá"から今作のスタイルを象徴する、ウェットでストレートなM-2"Gangorra"、M-3"Melatonia"の流れでスタート。M-2の2ビートの歌から痛快なリードにこむパートはガッツポーズせずにはいられませんでした。個人的に2ndの方向もアリだと思っているけど、やっぱり彼らはこういう曲が抜群にカッコいい。
M-4”Fôlego”からは最近の彼ららしい、ダウナーで鈍色の哀愁漂う曲も交えながら展開していきます。彼らがこうした方向の曲を出し始めた時は「どうした?」と思ったけれど、それは元々のイメージが邪魔していたからで、アルバムで聴くととてもカッコいい。1stの頃に比べると国内シーンの中でも相当ビッグな存在に成長していて、このブログで良く紹介するバンドたちとは違うレベルの存在になっているだけに、こうした曲にも風格めいたものを感じます。
後半はM-6”Esperanto”、M-8"Labirinto"と痛快に疾走する曲をちりばめながらも、どちらかといえばダウナーな曲が中心。どの曲もアップダウンがあって、ここぞというタイミングでボルテージがグッと上がるのはさすがの一言に尽きます。本当にいい意味で南米メロディックの中では別次元のバンドになった感がありますね。
1stみたいなスタイルに完全に戻ってきてほしい、とかは思わないけれど、ルーツを踏まえながら一歩大きなステージに登っていこうとする姿勢に好感を持てる1枚でした。このアルバムをふまえて、シーンの中で今後どういう存在になって行くのかとても楽しみです。
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