2014年6月14日土曜日

何らかの障害を持つ方がライブを楽しむことの難しさと、それをサポートする取り組みについて


昨夜はWarpedのWebcastをそれこそ明るくなるまでずーっと見てました。ワールドカップそっちのけで。そしたら、The Devil Wears Pradaの出番中、ステージ横で一人の女性が手話で通訳をしている姿を見かけました。


びっくりして調べてみたところ確かにライブで手話通訳を、という考え方はあるようです。僕がTDWPのWebcastで見かけた女性とおそらく同じ、としか断言できないけれど、Holly Maniattyと言う女性がいくつかの記事でピックアップされていました。彼女は昨年のBonnarooにおけるWu-Tang Clanのライブで通訳をする姿がYoutube上で話題となっていたようです。Holly本人のインタビューなんかもあります。

インタビューによれば、手話通訳を行なう人は各フェスティバルに何人かのチームとして存在するとのこと。チーム内での担当はそれぞれの得意なジャンルとかで分けられているみたい。通訳の人は事前に聴覚障害を持つ方からどのアーティストを観たいか情報を集め、そのアーティストのライブや歌詞を事前に50~80時間程度かけて学んで、当日に挑むらしい。

予習と言ってもただ歌詞を覚えればいいだけではなくて、ライブ中にどのようにビートが刻まれているかだとか、出身地などそのアーティストの特徴もそこに入れて表現をするらしく、予習にものすごく時間をかけるのは納得した。実際TDWPのライブでも歌詞以外に演奏の様子を表すであろうジェスチャーが含まれていたりしていたし、決して簡単な構成でない彼らの曲でこうしたジェスチャーをよく挟めるなあと思っていたけど、そういうことだったみたい。



障害つながりで考えると、車いすは最近専用のスペースがあるフェスだったりライブハウスだったり、対処が比較的なされていると思います。昨年行ったロンドンでのWarped Tourでは、モッシュピットの中に車いすの男性が突っ込んできて、ひとしきりはしゃいで最後は周りで一緒にはしゃいでいた人とハグをして帰っていく、という場面に遭遇したことがあるけど、車いすの方全員がそのモッシュピットに突っ込んできた彼ほど勇気のある人ではないだろうし(彼は本当にすごかった)、専用のスペースで他の心配をせずライブを楽しめるのは嬉しいことなんじゃないかと。

車いすの方がライブを楽しめる環境を獲得しつつある今、次はこの手話通訳など車いす以外の障害を持つ人に向けても、ライブを楽しむための門戸を広げる取り組みがあっていいのではないでしょうか。とはいってもインタビューにもあった通り予習には莫大な時間をかけるようだし、人材面での問題などクリアするべきことは多いと思う。また、日本のRock in Japanなどでこうした取り組みを行なうとすると、手話と一口に言っても日本の手話には「日本手話」と、「日本語対応手話」の2種類があったりして、さらに難しいのかもしれない。でもいつかは、こうした取り組みが一般的になる日が来ないかなあと思った、という土曜日の早朝の話でした。

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