2015年10月30日金曜日

【Disk Review】Kill The President "Citizens" (2013)

テクニカルだけどラフなところが最高。

Kill The President "Citizens" (2013)
Rate 4.29 / 5.00



スペイン、バレンシアの高速メロディックKill The PresidentのEPです。スペインではかなりビッグネームみたいですね。A Wilhelm ScreamやForusなど、タッピング等を用いたテクニカルなメロディックの系統にいるバンドです。

彼らの武器はテクニカルなスタイルの中にRise Againstよろしくな硬派さと退廃した感じが同居している点だと思います。ボーカルの歌声がキレイめというよりは声を荒げるタイプなのが大きく影響しているのだと思うけど、王道のテクニカルな高速メロディックをプレイするバンドながら衝動的に聴き手を突き動かしてきます。ボーカルがワイルドなだけでもっとハードコアとか生々しい音楽に近くなるというか。

音楽的に言えばカナダのGiving Inなんかが近い所にいる気がします。もっとも向こうはそこまでタッピングてんこもりのテクニカル路線ってわけではないものの、全体的に速いリズムの中に光る硬派さは似ている物を感じます。



個人的なオススメチューンはなんといってもタイトルチューンM-1"Citizens"。イントロから憂いあるリフとタッピングの絡みが最高。その後のミュートを細かく挟みながら疾走するパート、タッピングを絡ませながら展開するサビと一連の流れも、彼らの武器であるスピードと硬派さが存分に活かされていて、本当に死角がないです。ため息がでちゃうくらい。

いまここまでで名前の上がったバンドが好きでまだ聴いたことがないなら、マストで押さえておくべきバンドだと思います。

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