2019年1月27日日曜日

【Disk Review】Fullcount "Part of the Game"(2018)

ああ…(昇天)

Fullcount "Part of the Game"(2018)



渋いメロディセンスに巧みなギターワークが光った前作から4年。カナダ、ケベックのメロディックパンクFullcountが新作リリースです。今回はThousand Islandsにレーベルを変えたみたいですね。

彼らの武器はこそっと違う拍子を混ぜてみたり、細かなフレーズの入れ方でスピード感を出したりする、アプローチの引き出しの多さとそれを意味あるものにする演奏力。そこは前作から変わっていないんだけど、その質と量にさらに磨きがかかっているように思います。サウンド面でも垢ぬけた印象があります。


その垢ぬけた印象が確信に変わったのが、鳴らしっぱなしのコードとボーカルのみでじわじわと熱量を上げて、10年前くらいのStrung Outみたいな冷静かつメタリックなツインリードが随所で冴え渡るM-3"The Motion"。この手のメロディックのアルバムで名盤とされるアルバムにありがちな、「序盤3曲は意地でも勢いでぶっ飛ばす」みたいな不文律を完全無視して、あえてテンションを一度下げるようなパートを出してくるのはなかなか勇気がいると思います。ゲストのエティエン先生がもはやMuteみたいなメロディーで参加しているんだけど、それもまた素晴らしい。


あとはCパートでComeback Kidライクなメロディーが光るM-5"The Host"。一見彼ららしくないメロディーがエモーショナルさを一気にかきたてています。元々エモーショナルな展開を入れ込んでくるバンドだっただけに、間違いなくハマっていると思います。今後こういうパートが増えていっても、それはそれでかっこ良さそう…

前作のスタイルを踏襲、アップデートした印象が強いけど、ここまでかっこいいと変なスタイルチェンジをする必要がなかったというのがとても納得できる、痛快な1枚だと思います。絶対チェックしておくべきです。

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