この日は広島から山口の萩までの行程。瀬戸内海側から日本海側へ抜ける電車のルートにはいくつかあるんだけど、今回は広島の三次と島根の江津って所を結ぶ三江線に乗ることにした。
三江線は1930年代に島根と広島の両方から線路を伸ばす形で営業を開始して、全線開通したのが1975年。でもその頃には地域の交通の足が電車から車になっていたことや、その後の過疎化やらで利用者が減り続け、最近ではいつ廃線になってもおかしくないと言われている。本当なら別ルートで行った方が早く萩にたどり着けるのだけど、そんな背景もあって今回はこの路線を選んだ。
ただこの三江線、とにかく本数が少ない。江津の駅に時刻表があったのだけど、本当に写真のとおり。この運行本数が自分のような青春18きっぷで長距離移動をする人には結構なネックで、宿泊地とかの計画を練るときに、かなりの試行錯誤を求められた。その結果が昨日の広島一泊だったりもする。
この日は広島の宿を6時過ぎに出発。広島駅を7時前に出る電車で始発の三次へ向かう。出発からものの数駅で一気に都会っ気がなくなって、ほかのお客さんも少しずつ減っていった。三次についたのは9時。山あいを流れる川沿いに開けた三次は、結局駅前しか散策できなかったけれど極端に人が少なくて、ちょっと寂しいターミナル駅だった。長い編成の列車も対応できるようなホームがあったり、留置線があったり、活気があった名残を感じるだけになおさら。
そして今日のメインイベント三江線。この路線、やっぱりすごい。江の川に沿ってとてものんびりと進んでいく電車。始発から乗ってた旅行の人がまばらにいる以外に誰かが乗ってくる気配もない。廃線になりそうって噂に対して、心のどこかでは「旅行客で案外にぎわってるんじゃない?」とか思っていたけど、全然そんなこともなかった。
でも悲しいけれど、大自然以外に目立った観光資源はおろか大きな集落もあまりない(集落の大小は自分にはわからないけど)沿線の様子が、結局のところこの路線のすべてなのかなと感じてしまった。たぶん自分のような旅行客がどれほど興味を持っていようと、廃線に反対をしようと、利用する人と目的になりそうなものが乏しいのならばどうしようもないのだろうなあ。もったいないけれど。
お昼に途中の駅で1時間半くらい停車時間があって、そこでみな昼食をとったりしながら江津へ到着したのは3時。あとは山陰本線で萩を目指すだけ。だんだんと日が傾いていって、この日最後の電車に乗った頃には夕日の時間。日本海沿いをひた走る車窓から眺める夕日は、本当に絶景だった。あの風景もこの夏のハイライト。
萩についたのは19時。宿に向かって歩いていると、街を挙げてのお祭りの会場にたどり着いた。さっそく荷物を宿において縁日へ。お囃子があったり、路上ライブが至る所で開かれていたり、にぎやかなお祭り。2年前に富山でたまたま出会ったおわら風の盆の時も思ったけれど、こういうお祭りがある街って素敵だよなあ、よそ者だけど雰囲気を味わえてよかったなあ、と思いながら、ビール片手に2,3時間位一人でぶらぶらした。
いろんなことがあって、いろんなことを感じた一日おしまい。
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