Four Year Strong "Four Year Strong" (2015)
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マサチューセッツのポップパンク、Four Year Strongの5thです。音源としては去年リリースのEP"Go Down In History"ぶりですが、アルバムでは4年ぶりになりました。前作EPの評判がかなり良く、そのリードトラックである"Go Down In History"が今作のトラックリストにも入っていたので、リリースが楽しみな1枚でした。
このバンドはやはり天才だと思います。ポップパンクにハードコアの強烈なノリをフィーチャーする、彼らの定番のスタイルが今回も炸裂しています。フォロワーのバンドは沢山いますが、これほどまで見事に両者を融合させる事ができるのは彼ら以外にいないでしょう。他のバンドだったら食傷気味になるようなアクの強いリフも、曲を彩る個性として聴こえてくるから不思議です。
アルバムはツインボーカルのグッドメロディーと強烈な個性のリフ、とことん身体が動く事を追求したようなリズムの3者がかみ合った名曲を立て続けに繰り出して始まります。演奏はとてもタイトでも、こじんまりとまとまる事を知らないダイナミックさがあるのは彼らの武器だと思います。この辺は長い事キャリアを積み重ね、百戦錬磨の彼らだからこそできる事でしょう。
その中でもひときわずば抜けているのがM-5"Stolen Cash Card!"。陽気でパンチの効いた曲が多い中数少ないシリアスさがよく映えていますね。バスドラをずっと踏み続けるリズムはシリアスな展開だと結構よく用いられるものですが、彼らの場合そのリズムが強烈なぶん曲にテンポの良さがあって、これもまた個性になっています。サビで拳を突き上げてシンガロングもしたいけど、同時に腕を振り回したりもしたい。そんな欲張りな感情を聴き手に呼び起こします。
最後の"Go Down In History"はEPの時から名曲だったけど、また別の文脈の中に出てくる事で新しい印象を獲得しました。全曲とんでもないキラーチューン揃いだったEPの中でもメロディーの良さが印象的だったこの曲。トラックリストが出た時にちょっと意外だったんですが、歌詞の「タイムボムのように生きて歴史に名を残せ!」というメッセージは確かに完全復活を果たしたバンドの、吹っ切れた勢いが詰まったこのアルバムをシメるのにうってつけですね。すごい。
去年のEPから今作の流れ、そして積極的なツアーで完全にシーンにカムバックした彼ら。まだまだこれから進化が止まらなさそうです。
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