2017年6月8日木曜日

【Disk Review】Bare Teeth "First the town, then the world"(2017)

これぞメロディックパンク!

Bare Teeth "First the town, then the world"(2017)



フランスはリールのメロディックパンク、Bare Teethの1st EPです。初音源ながらBelvedereのSteveおじさんがfeatしていたりするんですが、どうやら過去にShames、Now Or Neverとのスプリットリリース経験があるFast Motionのメンバーが在籍するバンドのようで、その辺は昔から繋がっているんだと思われます。ちなみに今作は国内版が横浜のFar Channel Recordsからリリースされていて、LPもRNR toursのライブ会場で入手可能なようです。

このアルバムは最近のヨーロッパのメロディックに多い、スピード、テクニカルさ、複雑さなどの要素を前面に出したスタイルに逆行する、不要なものを削ぎ落したソリッドな感触がとにかく素晴らしいですね。

もちろん彼らもそうした要素を持っています。出だしのメロディーから一気にスピードを持って展開していくM-3”Parted Ways”とかは1音目からハッとする位かっこいいです。でもそれはあくまでチラ見せ程度なんですよね。彼らはそんなことよりも芯の太い演奏と、その上に乗る極上のメロディーだけで勝負するガッツがとにかく心地よい。前述のようなスタイルのバンドが多いヨーロッパで、ここまでソリッドに聞き手の心を掴めるのはすごいことだと思います。



個人的に大好きな漢気ポイントは、得体の知れない高揚感のある始まりのM-2"Behind The Wall”、痛快なリードギターが冴えるM‐6"Tomorrow Starts Today"あたりの決して速くない曲。スピードでごまかせないからこそにじみ出る漢気がたまらないです。アルバムの途中でテンポ落としたら中だるみしちゃうようなバンドに、100回位聞かせてあげたい。





メロディックパンクってジャンルの門戸がやたらと広くなってしまった現代に、メロディックパンクとはこういうことだ、と痛快なメッセージを贈るかのような1枚ではないでしょうか。こういうバンドもう少し増えないかなあ。

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