2015年4月29日水曜日

【Disk Review: Road To Warped #3】Candy Hearts "The All Ways You Let Me Down" (2014)

これからの時期に聴きたい1枚。

Candy Hearts "The All Ways You Let Me Down" (2014)
Rate 4.50 / 5.00



ニューヨーク、ニュージャージー出身のメンバーで構成されている女性Vo.ポップパンクバンド、Candy Heartsの3rdです。このバンドはNFGのChadプロデュースなことで有名ですね。去年もNFGのツアーに参加してたみたいです。レーベルは比較的ハードコアが強いBridge Nine。

このアルバムを入手したのが去年の冬で、実はレビューを書くまでじっくり聴いていたわけではありませんでした。ですがちょうどこれからの季節、夏の午後によく似合う1枚ですね。この時期にじっくり聴く事ができてよかった。エモやインディーに影響を受けたであろうどこかゆったりとした空気感のサウンドに、飾らないボーカルがびったりハマってます。まるで鼻歌でも歌うかのよう。

僕はM-6の"Coffee With My Friends"がずば抜けて好きです。アコギがフィーチャーされて、ダンダンダンダンと展開していく。決して特別ではないテンションの曲を特別なものにしていくのは、まぎれもなく飾らないボーカル。彼女は声を張り上げ、自らを飾り立てて聞き手の心をつかむのではなく、あくまで自分のペースで歌を楽しむことで聞き手を巻き込むシンガーなのでしょう。情報過多なバンドが増え行く中、それをあざ笑うように軽快に、爽やかに歌う彼女の歌声に聞き惚れてしまいます。

そしてこのアルバムにはよく聴いてみると随所でコーラス、フランジャー?といった空間系だったり、かなり歪んだギターだったり、ゆったりした空気とは正反対の音が入って来ています。耳障りのいいバンドサウンドからは一見異質なサウンドを入れる事で、彼女の歌がより一層際立っているのかなと思います。これがなかったら結構単調だったかも。

決して飾り立てずあくまで身近なサイズ感のバンドサウンドと、そこに最大限フィットするボーカル、そして時折聴こえる心地よい違和感のあるフレーズ。全てがしっかり絡みあった素晴らしい1枚だと思います。去年しっかり聴いていたらベストアルバムに入れていただろうなあ。

 

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