2015年8月25日火曜日

【DIsk Review】Hate It Too "Purple Mountains" (2015)

バンド全体で1つの絵を書くかのように。

Hate It Too "Purple Mountains" (2015)
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ケベックの高速メロディックパンク、Hate It Tooの1st?です。とはいえ08年結成と活動は結構長い事やってるようですね。同郷のMuteと2マンをしていたり、現地では間違いバンドとしてのポジションを確立しているようです。

スタイルはMuteと2マンになるのも納得の、テクニカルな高速メロディック。ギターのフレーズの展開とかがよく似ています。その他A Wilhelm Screamとか同郷のFullcountなどいろいろなバンドに通じる物がありますね。



しかしこのバンドの個性的な所はなんと言ってもベース。全編通じて縦横無尽にベースが動き続けています。音もかなり高いし、ありとあらゆる所でベースが目立ちまくっていますね。タッピング、コード弾きだらけでむしろ低い音を出している場面のほうが少ないかも。あんまりこの手のバンドでバカテクのベースって聴かないので新鮮です。M-1"Twelve's The New Eight"で開幕からバカテクのベースが出てきて思わずニヤけました。



曲はその動き回るベースの影響もあってか、カラフルな物が多い印象を受けます。楽器隊は全員隙あらば何か仕掛けてくるので、常に何かが動き続けているのがその正体でしょう。M-7"Anchors"みたいに硬派なメロディーがキーとなる曲でサビになるとぱあっと開けていく感じがするのは、ツインギターだけでなくベースも多彩なアプローチを取る事ができるからこそだと思います。



中でも圧巻なのがM-9のタイトルチューン"Purple Mountains"。アルバム中唯一の8ビートでゆったりと聴かせる曲なのですが、青臭いメロディーにそれぞれ楽器陣が丁寧に色づけをして行く感じがたまらないですね。ジャケットのような景色が抜群に似合う1曲。



その後のM-10"The Leap"がこの雰囲気のイントロから一気にギアを上げていく曲なのは、バンドの策士っぷりが伺えます。ライブでもこの流れだったら相当盛り上がりそう。

初めはバカテクのベースに注目していたけれど、それよりもメロディーにメンバーがのびのびと色を付けて行く様が印象的な1枚でした。

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