2015年8月10日月曜日

【Disk Review】Lowbrow "Insert Brain Here" (2015)

ギターヒーローのいるメロディック。

Lowbrow "Insert Brain Here" (2015)
4.56 / 5.00



アメリカはカリフォルニア、Costa Mesaという町のメロディックパンクバンドLowbrowのアルバムです。フルアルバムとしては4年ぶり?のリリースのようです。

彼らの出身であるCosta Mesaという町はLA郊外にあるOrange Countyの一部みたいです。そういう事もあってかメロディーからは同郷のThe Tankや、そのボーカルがやってるメロディック界のスーパーバンド、Implantsに非常に近い物を感じます。そこにRufio、Strung OutといったLA周辺の高速かつテクニカルなギターワークを得意とするバンドの影響を受けたサウンドが乗っかっていて、この辺が好きな人にはたまらないです。

ギターの影に隠れるかもしれませんが、このバンドはドラマーも素晴らしいと思います。ギターの流れるようなフレーズがばっちり決まっているのも、リズムがしっかりしているから。メロディック特有のちょっとタメがある武骨な2ビートと言うよりは、癖のない2ビートを聴かせてくれます。ハイハットのオープンとクローズを使い分けているのを聴くとこのスピードでいて1バスだと思うんですが、それでもシンバルやフィルの入れ方は小粋だし、本当に多彩なドラマーですね。

とはいえやはりこのバンドはやはりなんと言ってもギター。ぶっ飛んだバッキングやソロを決めてくるかと思えば、メランコリックなアルペジオを聴かせてきたり、とにかくアルバム全編を通してギターが主役です。フレーズ1つで曲の雰囲気をがらっと変えてしまうあたり、ギターヒーローのいるバンドって感じがします。バンドの中でギターがはっちゃけてると、やっぱり華があるんですよね。



前回レビューのAtomic Winterもそうだけど、こういう痛快な音楽をきくとワクワクしちゃうのは僕だけではないはず。M-2"Hang on to Your Monocles"なんかは初めて聴いたときただただ圧倒されるだけでした。しっかりとしたリズムの上でギターが縦横無尽に動き回り、聴き手のテンションを引き上げ続けるとんでもない曲です。後半のメロウなパートも◎。


あとはM-13"Escalator to Nowhere"みたいな、90年代メロディックのなんだか狙ってないけど古き良きポップさがにじみ出ちゃう感じもいいですね。個人的にはこの曲を聴きながら、自分がこういうバンドを聴きはじめた時って、こういうスカッとしたポップさが病み付きになったんだよなあって少し思い出してしまいました。最後のあの速弾き、よくあそこに入れたなとは思うけど…笑

Implants系統が好きな人にはもちろん、そうでなくとも高速メロディックが好きな人には絶対にオススメしたい1枚です。

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