Carousel Kings "Unity"(2014)
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ペンシルバニアのポップパンク、Carousel Kings。2年前に1枚アルバムのリリースがあったみたいで、今回は2ndにあたるのかな。国内盤のリリースはまだだけどすでにUSなどではリリースされているので、そちらのレビューにしようと思います。
このバンド、まずなんにせよ少し曇った声のボーカルが歌う、行ったり来たりを繰り返しながらも突き抜けるようなメロディーがインパクトすごいです。Chunk! No,Captain Chunk!みたいな出だしのM-1"Headphones"だったりイージーコアからの影響も感じるけれど、なんだかどのメロディーも懐かしさがあるんですよね。
彼らは決してイージーコアにどっぷりってわけではなくて、もっとシンプルにメロディックなスタイルを目指しているのではないかと感じます。言い方を変えれば、New Found Glory〜Four Year Strong〜Chunk! No,Captain Chunk!と時代を経るごとにハードコアっぽさを取り入れヘヴィになっていったシーンの経緯を理解し、ある程度その影響を受け入れながらも、バンドとしてのベクトルはNFGなどクラシックなポップパンクの方向に向いているというか。
そんなことを思ったきっかけの1つはリズム面。ブレイクをそこまでガッツリ落とすのではなく、あっさりかつ最低限だし、ツタツタ…って疾走感あるリズムもかなりの速度、頻度で出てきます。中にはかなり速い倍テンが出てくるパートもあって、とにかく速い倍テンが大好きな僕は、そこで小さくガッツポーズしました。疾走の仕方がイージーコアではない。
それと、僕の勉強不足もあるとは思うけどこの手のバンドでリードギターが弾き倒すのって珍しい気がします。いてもここまで痛快なソロを入れたりするのは尚更。ぱっと判りやすくかっこいいソロのフレーズが随所に入ってくると、あまりコアすぎるバンドはちょっと…って人でも聞きやすいですよね。こういった所からも、彼らが重たさとか、胃もたれするくらいの情報量とか、そっちの方向を向いていないのを読み取れるのではないでしょうか。
もう一度メロディーについて触れると、突き抜けるようなメロディーだけでなくM-5"Change"、M-8"Silence"みたいに意外に硬派なメロディーの曲も多いし、ボーカルの歌声が苦手でなければ、普段は硬派なメロディックしか聞かない人でも十分に楽しめると思います。
しっかりイージーコアからの流れを汲んでいながらも、"コアになりすぎない"ことで他のジャンルを聞く層にも訴えかけることのできる普遍性を手にした、素晴らしいアルバムです。ぜひ聞いてみて、11月の来日にも足を運んでみてはいかがでしょう。
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